今は深夜ですが、明日もお休みなので書きます。
先週の新聞記事で見つけた「派遣社員、3年勤務なら時給3割上げ」というニュース。
私なりにつらつら考えてみようと思います。
3年勤続で時給アップ
今回、厚生労働省が決めたこの指針、同じ業務で3年相当の経験を積んで正社員と同等の仕事ぶりであれば時給が3割アップするというもの。
3年で経験を積んでそれが認められて、時給アップするということはとても嬉しい話です。
非正規雇用でも実力が認められる可能性がある。
お給料が上がる可能性がある。
正社員なら当たり前に仕事が評価されてベースアップする、それが派遣社員にはなかったので、評価制度ができるのは嬉しいことです。
これまでの理不尽な時給設定は以前の記事に書いています。
3割時給アップのその先は?
同じ業務で3年の経験を積んだとして、
時給が3割アップしたとして、
そんな派遣社員を企業は受け入れてくれると思いますか?
今は3年満期で同じ企業の同じ仕事では働けないという「3年ルール」があります。
3年の経験を積んで時給が3割アップしたとして、その後、
どこへ行けばいいの?
3年満期じゃなくて5年満期とかなら、3割時給がアップした状態で、同じ仕事で2年は働けますよね?
でも、3年満期なので3割時給がアップしたあとはどうしたらいいんだろうってことになりませんか?
同じ仕事で別の企業に行ければ良いということでしょうか。。
私なりに想像してみます
仮に最初の時給が1500円だとします。
同じ仕事内容で3年の経験を積みました、時給が3割アップしたとして、
1950円になります。
私個人としては時給がアップすることも嬉しいですし、経験が認められたら嬉しいです。
では現実的に考えて、
1950円の時給の派遣社員、雇ってもらえるでしょうか?
これに派遣会社のマージンが乗ってきますので、企業が払う賃金はもっと高くなってしまいます。
経験なくても安い人がいいとなれば、1500円の人を雇うかもしれません。
募集をかけても人が来ない状態がずっと続いていて仕方なく1950円の人を雇ってもらえるかもしれません。
今の売り手市場はずっと続くとは思えませんので、時給が上がるのは嬉しいけど、仕事があるかどうかという不安はつきまといます。
派遣社員を受け入れる窓口が少なくなってしまわないだろうか?
3年同一業務で賃金が跳ね上がるのなら、3年以下で雇い止めになる可能性もあるのではないだろうか?
企業の立場からも考えてみる
企業が派遣社員を雇うのは、社員よりも安く使えて、しかも何らかの社会人経験があるので、社会人としての基礎的なことを教えなくて済むし、人によっては即戦力として使える。
ポイントは「社員よりも安いから」です。
これから先の政策で「同一労働同一賃金」がありますが、これも社員と同一の賃金を払うなら、派遣社員ではなく社員を募集する方向にシフトするということも考えられます。
おわりに
国の政策は長期で「派遣社員」として働いたことがない人たちが作っているので、少しずれてるのを感じます。
非正規雇用者に関心を持ってくれるのはありがたいことですが。